「ホームページを作ったのに、検索しても出てこない」
これまで2,000社以上のご相談をお受けしてきましたが、多くいただくのがこのお悩みです。
2026年9月、アメリカのSEOメディア「Zyppy Signal」が、世界中の実務家131名を対象にした大規模な調査結果を公開しました。103項目のランキング要因について専門家が点数をつけ、集まったデータは13,665件。おそらく現時点で、世界でもっとも新しくてボリュームのある「Googleの順位の決まり方」に関する集合知です。
読んでみて、正直ほっとしました。私たちが中小企業の現場でお伝えしてきたことと、驚くほど重なっていたからです。
この記事では、その調査結果を中小企業の社長・クリニックの院長の目線で、明日から何をすればいいのかという形に翻訳してお届けします。クリニック、リフォーム会社、士業事務所、製造業といった、実際によくご相談をいただく業種の例を挙げながら進めていきます。
引用元: Cyrus Shepard and Dawn Shepard「Google Ranking Factors Expert Survey 2026」Zyppy Signal(2026年9月9日)
Google Ranking Factors Expert Survey 2026
※以下の数値・調査結果はすべて上記記事によるものです。解釈と実務への落とし込みは筆者によるものです。※また、Google が正式に発表している要因ではありません。
まずは結論。順位を決める要因トップ10
専門家に「もっとも重要な要因を3つ挙げてください」と自由回答で聞いた結果が、次のランキングです。数字は「トップ3に挙げた人の割合」です。
| 順位 | 要因 | 割合 |
|---|---|---|
| 1 | 関連性(検索意図との一致) | 57.1% |
| 2 | 被リンク | 54.8% |
| 3 | コンテンツの質 | 47.6% |
| 4 | 権威性・信頼性 | 36.5% |
| 5 | ユーザーの行動・クリック信号 | 29.4% |
| 6 | ブランド信号 | 27.0% |
| 7 | ユーザー満足度 | 19.8% |
| 8 | テクニカルSEOの健全性 | 17.5% |
| 9 | トピックの専門性 | 14.3% |
| 10 | 内部リンク | 11.1% |
上位3つは、実は10年前の調査とそう変わりません。変わったのは「中身」です。
AIで記事がいくらでも作れる時代になったことで、「独自の情報を持っているか」の価値が跳ね上がりました。そして裁判資料やAPI流出で明らかになったことで、「ユーザーが実際にどう動いたか」をGoogleが細かく見ていることがはっきりしました。
ここからが本題です。中小企業がどこに力を入れるべきか、順に見ていきます。
検索意図に「ページの型」を合わせる

103項目のうち、もっとも高く評価されたのが「検索意図との一致」でした。
これは、キーワードが本文に入っているかどうかの話ではありません。その言葉で検索した人が、何を終わらせたくて検索したのかに、ページが応えているかどうかです。
たとえるなら、ラーメンが食べたくて「近くのラーメン」と検索した人に、いくら立派なフレンチのコース表を渡しても意味がない、ということ。どれだけ美しいメニューでも、その人は隣の店に行ってしまいます。
調査でも、ある専門家がこう指摘しています。見出しの構造もURLの設計も完璧なページであっても、検索した人が求めていたものと答えている内容が違えば、それらは何の助けにもならない、と。
業種別に見る「よくあるズレ」
クリニックの場合
「◯◯市 胃カメラ」と検索する方が知りたいのは、鎮静剤を使ってもらえるのか、当日や土曜に受けられるのか、費用はいくらか、といったことです。ところが実際に表示されるのは、医院概要や診療理念が並んだページ——というケースが多い。これらが不要なのではありません。順番が逆なのです。
リフォーム会社の場合
「浴室リフォーム 費用」で検索する方が見たいのは、似た間取り・似た築年数の施工事例と、そこにかかった実際の金額です。会社案内と対応可能工事の一覧が出てきた時点で、そっと戻るボタンが押されます。
士業事務所の場合
「相続 手続き 期限」で検索する方は、まず期限そのものを知りたい。いきなり料金表と「お気軽にご相談ください」を見せられても、聞きたいことに答えてもらっていないので離脱します。先に答える。相談は、その後です。
やること
- 狙っているキーワードで、実際にGoogle検索してみる
- 上位10件がどんな「型」のページかを見る(料金ページなのか、事例集なのか、症状の解説なのか、Q&Aなのか)
- 自社のページがその型からズレていたら、記事を書き足すのではなく、ページの型そのものを作り替える
私たちが原稿制作をお引き受けするとき、いきなり書き始めないのはこのためです。まず「このページは誰の、どんな用事を終わらせるページなのか」を1行で決める。ここが決まっていない原稿は、どれだけ文章がうまくても順位がつきません。
「うちにしかない情報」を1つ入れる
コンテンツの質の項目で、断トツの1位だったのが独自調査と一次データでした。
商店街に同じ商品を売る店が10軒並んでいるとします。全部が同じ値段、同じ品揃え。このとき、お客様が足を止めるのは「1軒だけ試食を出している店」です。他の9軒にないものを、1つだけ持っている店。
Googleの世界でも同じことが起きています。検索意図に合ったページが10本並んだとき、最後に差をつけるのは「他のページにない情報が載っているか」。専門家はこれを「情報利得」と呼んでいます。
AIで記事は無限に作れるようになりました。だからこそ質がフィルターになる、という指摘も出ています。作るコストがゼロに近づいたぶん、信用のコストが上がったわけです。
業種別「うちにしかない情報」の見つけ方
| 業種 | 出せる一次データの例 |
|---|---|
| クリニック | 年間の検査件数、鎮静剤の使用割合、平均待ち時間の実測値、当日予約が取れた割合、よくある質問のトップ10 |
| リフォーム・外壁塗装 | 施工事例ごとの実際の費用と工期、築年数別のビフォーアフター写真、使った塗料や建材の実名、お断りしたケースとその理由 |
| 士業 | 年間の相談件数、解決までの平均期間、実際に寄せられた相談内容の内訳、依頼者の年代・地域の構成 |
| 製造業 | 対応可能なサイズ・精度・材質の一覧、最小ロット、短納期の実績、他社で断られた案件を受けた事例 |
| 葬儀社 | 実際の施行件数と平均参列人数、プラン別の実費、地域特有のしきたりへの対応実績 |
このリストを見て、「うちにはそんな大層なデータはない」と思われたかもしれません。でも、すべて日々の業務のなかにすでにあるものです。ないのはデータではなく、それを外に出すという発想のほうです。
お客様アンケートなら10件〜30件の集計でも立派な一次データになります。「よくある質問」を院内や事務所で1か月メモするだけでも、他社が持っていない情報になります。
ここは、大手に唯一勝てる戦場です。資本力では負けても、現場を持っているのは自分たちだからです。
なお、AIで書くこと自体が減点なのではありません。独自の情報がなく、人の手も入っていない量産記事が減点対象です。人の編集が入り、独自データが載っていれば問題なかった、という報告も調査には含まれています。
被リンクは「本数」ではなく「人が見ているか」

「被リンクはもう古い」という話をたまに聞きますが、調査結果は真逆でした。堂々の2位です。
ただし中身が変わりました。高く評価されたのは、信頼されているサイトからのリンクと、テーマが近いページからのリンク。ある専門家は、誰もクリックしない1000本のリンクより、実際に読者がいるページからの100本のほうが強い、と述べています。
被リンクは推薦状のようなものです。誰も知らない人から1000通の推薦状をもらっても、採用担当者の心は動きません。業界で名の知れた人からの1通のほうが、はるかに重い。
そして注意すべきは逆側です。スパムリンクは、調査の中で最大級のマイナス要因として評価されました。過去に業者に依頼して大量のリンクを買った経験がある会社は、一度棚卸しをおすすめします。
業種別・無理なく積める被リンク
クリニック
地域の医師会、出身の大学医局、自治体の検診・健康イベントの案内ページ、地域の健康情報メディアへの寄稿、患者団体や学会の紹介ページ。
リフォーム・外壁塗装
建材メーカーの「施工店検索」への登録(TOTO、LIXIL、塗料メーカーなど)、地域の工務店ネットワーク、商工会議所、地元紙のリフォーム特集。
士業
県の士業会、商工会議所、セミナー主催者の登壇者紹介ページ、提携している他士業事務所、業界誌への寄稿。
製造業
業界団体、展示会の出展社一覧、取引先の「協力会社紹介」ページ、地域の産業支援センター。
お気づきかと思いますが、これらはすべて「営業活動の副産物」です。SEOのためにやるのではありません。普段の仕事の成果を、きちんとWeb上に残す。それが結果的にリンクになります。
展示会に出たなら出展社ページのリンクを確認する。セミナーに登壇したなら主催者サイトに事務所名とURLを載せてもらう。この一手間の積み重ねが、数年後に効いてきます。
指名検索を増やす——チラシも看板もSEOに効く
これは、ぜひ知っておいていただきたい発見です。
調査では「オンライン上の評判」と「社名で検索される回数(指名検索)」が、非常に高く評価されました。ある専門家は「指名検索は新しい被リンクだ」とまで言っています。別の専門家は、サイトの作りが多少ひどくても、人々がその会社の名前を検索し、話題にしているなら順位は保てる、とさえ述べています。
つまりGoogleは、世の中でどれだけ名前を呼ばれているかを見ています。
ここが非常に重要なポイントです。指名検索は、ホームページの中をいじっても増えません。増えるのは——
- リフォーム会社が、現場の養生シートと社用車に社名を出したとき
- クリニックが、診察券と院内ポスターで「◯◯クリニック」の名前を刷り込んだとき
- 士業事務所が、セミナーに登壇して100人の前で名前を名乗ったとき
- 葬儀社が、地域にチラシをまいたとき
- そして、Googleの口コミが増えたとき
つまり、Webの外の販促活動が、めぐりめぐって検索順位を押し上げているということです。
ワードメーカーがホームページ制作会社でありながら、チラシやパンフレット、広告までお引き受けしているのは、まさにこの理由からです。「SEOはSEO、チラシはチラシ」と切り分けている会社は、ここで大きく損をしています。別々の施策ではなく、同じ一本の線の上にあるものなのです。
ちなみにGoogle広告の出稿そのものに順位への直接効果はない、というのが専門家の見解です。ただし露出が増えることで指名検索やクリックといった他の信号が動き、結果として効いてくる経路はある、と指摘されています。広告費は「クリック単価」だけで評価するものではない、ということですね。
「検索結果に戻らせない」ページにする

ユーザー行動の項目で、もっとも高く評価されたのが「満足・タスクの完了」。逆にもっとも悪く評価されたのが「検索結果に戻ってしまうこと」でした。
飲食店にたとえると分かりやすいと思います。看板を見て店に入ったお客様が、5秒で出てきて隣の店に入っていく。この光景を、Googleはずっと見ています。そして「この店の看板は、中身と合っていないな」と学習していきます。
「3秒で安心できるか」を業種別に
クリニック……診療時間、初診の受付方法、予約が必要か、駐車場の有無。この4つが最初の画面に見えていないクリニックサイトは、本当に多いです。
リフォーム会社……対応エリア、無料見積もりの有無、電話番号。「うちの地域は対応してもらえるのか」が分からないと、人は問い合わせません。
士業……初回相談が無料かどうか、対応地域、そして「こういう相談を受けています」という具体例。士業サイトは信頼感を意識するあまり、固すぎて聞きづらいという失敗が起きがちです。
デザインが立派かどうかより、3秒で安心できるかどうか。これに尽きます。
内部リンクは「自分で100%動かせる唯一のレバー」
10位に入った内部リンク。地味な項目ですが、調査では再評価されていました。
ある専門家は、良い内部リンク1本は優れた外部リンク1本に匹敵する、と述べています。別の専門家は、内部リンクこそサイト運営者が最初から最後まで自分でコントロールできる唯一のランキング要因だ、と指摘しています。
外部リンクは相手あってのものですが、内部リンクは自社の判断だけで今日から動かせます。店内の案内表示のようなものだと考えてください。入口から一番売りたい商品まで、迷わずたどり着ける動線が引けているか。
- クリニック:症状の解説ページ → 該当する検査・治療のページ → 予約フォーム
- リフォーム会社:施工事例 → その工事のサービスページ → 見積もり依頼
- 士業:相続の基礎知識 → 相続手続き代行のサービスページ → 無料相談の申込
そして、どこからもリンクされていない孤立ページをなくすこと。せっかく書いたブログ記事が、サイトの中で迷子になっているケースは驚くほど多いです。
テクニカルSEOは「勝つため」ではなく「負けないため」

8位のテクニカルSEO。多くの回答者がこれを「参加するための最低条件」と表現しました。
建物の基礎と同じです。基礎がしっかりしているからといって豪邸になるわけではありません。でも基礎が傾いていたら、どれだけ内装にお金をかけても家は住めなくなる。
実際、canonicalタグ(重複ページの正規指定)の設定ミスを直しただけで、表示回数とクリックが大きく改善した事例も報告されています。定期点検さえしていれば十分な領域です。
逆に、力を入れなくていいもの
ここも知っておくと、無駄な投資を防げます。
| 項目 | 調査での評価 |
|---|---|
| メタディスクリプション | 103項目の中でも順位への影響はほぼゼロ。ただしクリック率には効くので、SEO作業ではなく「検索結果に出る広告コピー」として書くべきもの |
| 表示速度・Core Web Vitals | 専門家の意見がもっとも割れた項目。「開くか開かないか」の問題であって、そこから先の追求は費用対効果が薄いという声が多数。大規模ECサイトは例外 |
| AIによる記事の量産 | 独自情報と人の編集がないものは明確なマイナス評価 |
「表示速度を改善しましょう」というご提案を受けている社長さん、院長先生は、一度立ち止まってみてください。世界131人の専門家がもっとも評価を割った項目に、優先して予算を使う理由があるかどうか。
ワードメーカーの視点:9位の「トピックの専門性」こそ中小企業の勝ち筋
最後に、私がこの調査でいちばん注目したのは、9位に入った「トピックの専門性」です。
これは「この分野といえばこの会社」とGoogleに認識されているか、という項目です。順位としては9位ですが、中小企業にとっての意味はもっと大きいと考えています。
というのも、資本力のある会社は「あらゆるキーワードで上位を取る」という戦い方ができます。しかし私たち中小企業は、同じ土俵に上がった瞬間に負けます。ランチェスター戦略の言葉を借りれば、弱者が広い戦場で戦うのは最悪の選択です。
やるべきことは逆です。範囲を狭めて、その中で1位になる。
- 「外壁塗装」ではなく「◯◯市の外壁塗装、しかも築25年以上の戸建て」
- 「内科」ではなく「◯◯市で鎮静剤を使う胃カメラ」
- 「相続」ではなく「農地を含む相続」
範囲を狭めると、書ける記事の一つひとつが具体的になります。具体的になると、他社にない一次データが載せられます。一次データが載ると、情報利得が生まれます。そして同じテーマの記事が積み上がると、Googleが「この分野はこの会社だ」と認識する——この記事で見てきた要素が、全部つながるのです。
1位を取れる範囲を決めること。それが、中小企業のSEOの出発点だと考えています。
まとめ:やるべきことは、実はシンプル
長くなったので整理します。
- 狙うキーワードで検索し、上位ページの「型」に自社ページを合わせる
- 他社が持っていない自社の現場データを1つ載せる
- 取引先・業界団体・登壇実績といった「仕事の副産物」をリンクとして残す
- チラシ・看板・口コミで指名検索を増やす(Webの外の活動がSEOに効く)
- ファーストビューで「ここに答えがある」と伝え、検索結果に戻らせない
- 内部リンクで、一番強くしたいページに力を集める
- 戦う範囲を狭めて、その中で1位を取る
どれも、小手先のテクニックではありません。「検索した人に、ちゃんと役に立つ」という当たり前を、形にしていく作業です。
そして気づかれたでしょうか。この7つのうち半分以上は、「ホームページの中」ではなく「会社の活動そのもの」の話です。SEOという言葉に引っぱられてホームページの中だけをいじっていても、順位は上がりません。
お困りの方は…
ワードメーカーでは、ホームページ制作を「デザインを作る仕事」だとは考えていません。その会社が持っている、まだ伝わっていない価値を、選ばれる理由に変える仕事だと考えています。
- 狙うべきキーワードと、そのキーワードで必要なページの型が分からない
- 現場の情報はあるのに、それをどう見せればいいのか分からない
- ホームページ、チラシ、広告がバラバラで、つながっていない気がする
- 口コミを増やしたいが、仕組みがつくれていない
クリニック、リフォーム・外壁塗装、士業事務所、製造業、葬儀社など、さまざまな業種のお客様と一緒に「1位を取れる範囲」を探してきました。業種が違っても、やることの骨格は同じです。
初回のお打ち合わせで現状をおうかがいしたうえで、後日あらためて具体的なご提案とお見積もりをお出しする形で進めています。お気軽にお問い合わせください。※お断りする場合もございます
参考文献
Cyrus Shepard, Dawn Shepard「Google Ranking Factors Expert Survey 2026」Zyppy Signal, 2026年9月9日
https://signal.zyppy.com/p/google-ranking-factors-expert-survey


