「Google広告、前より効かなくなってきた気がするんですよ」
ここ最近、この相談が明らかに増えています。業種も規模もバラバラなのに、言われることはほとんど同じです。
- クリック単価が前より上がっている
- 同じ予算で表示される回数が減った
- 始めた最初の数ヶ月はよかったのに、そこから落ちた
これは気のせいではありません。そして運用のやり方が下手だからでもありません。土俵そのものが変わってきています。
今日は、何が起きているのかと、そのうえで中小企業がどこに逃げ場をつくれるかをお話しします。
※本記事の事例は、守秘義務の関係で業種などを変更したうえでご紹介しています。
なぜ単価が上がり続けるのか

Google広告の仕組みは、シンプルに言えばオークションです。
同じキーワードを狙う会社が増えれば、値がつり上がる。ただそれだけの話なんですが、問題は誰が参加してきたかにあります。
数年前まで、地域の中小企業が出す広告は、同じような規模の会社と競っていました。今は違います。全国規模の会社が、地域を細かく区切って大量に出稿しています。
結果、検索結果の上のほうは大手の広告で埋まり、中小企業の広告は下へ下へと押しやられていく。予算が違いすぎるので、真正面から張り合っても勝てません。
昔ながらの商店街に、全国チェーンが3軒同時に出店してきたようなものです。
家賃(=クリック単価)は全体的に上がり、一等地の区画はチェーンが押さえる。同じ場所で同じ売り方を続けている限り、じわじわ苦しくなります。
※もちろん、LP内容や広告文・キーワード設定なども関係あります
「3ヶ月しかもたない」の正体
もうひとつ、よく聞くのがこれです。
「最初の3ヶ月くらいは反応があったのに、その後パタッと止まった」
これも珍しくありません。ただ、原因を誤解している方が多い。
枯れたのは広告ではなく、いちばんおいしいキーワードの層です。
広告を始めると、まず反応するのは「今すぐ必要な人」です。困っていて、探していて、比較している人。この層は数が限られています。彼らを取り切ってしまうと、そのあとに残るのは「まだ検討段階の人」ばかりになる。
釣り堀のいちばん手前で、放流したての魚を釣っている状態です。手前の魚を釣り終えたら、当然釣れなくなる。竿が悪いわけでも、腕が落ちたわけでもありません。
ここで多くの会社が「広告はダメだ」と結論を出して止めてしまう。もったいない。必要なのは、釣り方を変えるか、別の池を探すかの判断です。
Meta広告は、そもそも狙い方が違う
Meta広告——InstagramとFacebookに出す広告のことです。
Google広告との違いを、私はいつもこう説明しています。
Google広告は「探している人」に当てる。Meta広告は「まだ探していない人」に当てる。
Google広告は、キーワードで狙います。「〇〇 修理 費用」と打ち込んだ人が対象。すでにニーズが言語化されている人なので、確度は高い。その代わり、その言葉を打ち込む人の数が上限になります。
Meta広告は、キーワードではなく人の属性と行動履歴で狙います。年齢、地域、興味関心、これまで何を見てきたか。「まだ検索はしていないけれど、興味があるかもしれない人」に向けて配信できる。
ただし、向き不向きははっきり分かれます
「じゃあMetaに移せばいいんですね」——そう単純ではありません。
Meta広告が向きやすいもの
- 見た目で価値が伝わるもの
- 一般消費者向けで、単価がそれほど高くないもの
- 「そういえば気になっていた」で動いてもらえるもの
- 地域が限定されていて、Googleでは検索数が少なすぎるもの
Google広告のほうが向きやすいもの
- お客様が明確な言葉で探している、専門的な商材や部材
- 「今すぐ困っている」性質のもの(故障、水漏れ、痛み、トラブル)
- 説明が必要で、写真では伝わりにくいもの
たとえば、専門的な加工技術や産業向けの部材のように、知っている人しか検索しない言葉があります。この手の言葉は検索数こそ少ないものの、競合も少なく、単価も抑えられていることがある。Meta広告で「なんとなく興味がありそうな人」に配信しても、そもそも該当者がほとんどいません。
同じ魚を狙うのでも、堤防で釣るか、沖に出るかの違いです。魚のいない場所で、いくら道具を新しくしても釣れません。
数字の目安を、正直にお伝えします

「で、いくらかけたらいいんですか」
これも必ず聞かれます。目安として、私がよくお伝えしているのは次のあたりです。
①広告費は、売上の15%程度を上限に考える 売上1,000万円を目指すなら、広告費は100〜150万円まで。ここを超えると、他の経費を圧迫し始めます。(もちろん、商品単価や粗利率によって変わります)
粗利率が20%を切る商売なら、この時点では赤字です。
だから、業種によって「成功ライン」がまったく違う。粗利率が高いサービス業なら十分な数字ですし、仕入れが重い商売ならもっと高い倍率を出さないと合いません。自社の粗利率を先に把握しておかないと、広告の良し悪しを判断できないんですね。
②判断するまでに、最低3ヶ月 1ヶ月では、どのキーワードが効いているかのデータが溜まりません。始めた直後は無駄打ちも多く、そこから除外していく作業で精度が上がっていきます。
畑と同じです。蒔いて1週間で掘り返す人はいません。にもかかわらず、広告だけは1ヶ月で結論を出そうとする方が本当に多い。
③最低ラインなら、1日1,000円から 月3万円程度からでも始められます。数十万円かけないと意味がない、ということはありません。小さく始めて、反応のあるところにだけ寄せていく。むしろこちらのほうが安全です。
第三の選択肢:Microsoft広告という空き地
もうひとつ、あまり知られていない逃げ道があります。
Microsoft広告(Bing検索)です。
「Bingなんて誰が使ってるんだ」と思われるかもしれません。ところが、法人のパソコンには標準で入っています。会社支給のPCを、設定を変えずにそのまま使っている方は、想像以上に多い。
つまり、業務中に会社のPCから検索している人に届きやすい。BtoB商材との相性がいい理由がここにあります。
そして何より、出稿している会社がまだ少ない。Google広告と同じキーワード、同じ広告文で運用できるので、追加の手間もそれほどかかりません。
規模は小さいので、これ一本で戦うものではありません。ただ、Googleで単価が合わなくなった商材の受け皿としては、試す価値があります。
明日からできる3つのこと
1. 自社の粗利率を確認する 広告の良し悪しは、粗利率が分からないと判断できません。まずここからです。
2. 今の広告が「どの言葉」で成果を出しているか見る 検索語句のレポートを開いてください。意外なキーワードで問い合わせが来ていたり、まったく関係ない言葉に予算を食われていたりします。
3. 媒体を1つに絞らない Googleが合わないならMeta、BtoBならMicrosoft。全部にばら撒く必要はありませんが、1媒体に依存した状態は、家賃の値上げに抵抗できない状態です。
「合う媒体を見極める」ところから、お手伝いします
ここまで読んで、「うちはどっちなんだ」と思われた方が多いと思います。
それが正解です。業種と商材によって答えが変わるので、一般論だけでは決められません。
ワードメーカーでは、以下のご支援をしています。
- Meta広告サポート:Instagram・Facebook広告の設計と運用代行。ターゲット設定、クリエイティブと広告文の制作まで一貫して対応します
- Google広告運用代行:キーワード選定、除外設定、コンバージョン計測の設定、月次のレポート
- どちらが合うかの見極め:商材と粗利構造をお聞きしたうえで、そもそも広告を出すべきか、出すならどの媒体かをお伝えします
私たちはコピーライティングを軸にした会社です。媒体を切り替えても、そこに載せる言葉が弱ければ結果は変わりません。広告文、遷移先のページ、問い合わせフォームまで含めて、ひとつながりで設計します。
「広告費をこれ以上増やせないが、問い合わせは増やしたい」——このご相談が、いちばん多く届きます。まずは現状のアカウントを見せていただくところから始めさせてください。出稿を止めたほうがいい、というご提案になることもあります。


