「最近、ホームページからの問い合わせが増えた気がする」
社長や院長とお話ししていると、こうした感覚的な言葉をよく耳にします。増えていること自体は喜ばしいのですが、そこで私は必ずこう質問します。
「その問い合わせは、どこから来た方ですか?」
ここで即答できる会社は、実はそれほど多くありません。そして答えられないまま広告を続けている会社は、ほぼ確実に、どこかで広告費を捨てています。
「なんとなく増えた」では、次の一手が打てない
広告や販促の目的は、問い合わせを増やすことです。しかし本当に大事なのは、増えた問い合わせが、どの入口から入ってきたのかを把握することです。
入口が分かれば、伸ばすべき場所と、やめるべき場所が決まります。分からなければ、うまくいっている施策も、無駄になっている施策も、まとめて同じ扱いになります。
これは、3店舗を経営しているのに、レジが本部に1台しかないようなものです。日々の合計売上は分かる。けれど、どの店が稼ぎ、どの店が足を引っ張っているのかは、永久に分かりません。
問い合わせフォームを集約する落とし穴

サイトを複数お持ちの会社で、よく見かける構成があります。
- コーポレートサイト
- 院長ブログや採用ページ
- サービス紹介用のランディングページ
この3つを運営しながら、問い合わせフォームは「Googleフォーム」だけに集約している、というケースです。
管理が楽になるので、一見すると合理的です。ところが、フォームを共有した瞬間、問い合わせの出どころが混ざります(設定にもよりますが)。
蛇口は3つあるのに、水道メーターが1つしかない。使いすぎているのがどの蛇口なのか、誰にも分かりません。
入口ごとにフォームを分けると、何が見えるか
対策はとてもシンプルです。サイトごと、入口ごとに、問い合わせフォームを用意すること。(もしくはURLで紐づけできるようにする)
先日、あるクライアントでこの分離を行ったところ、「ブログ経由だと思っていた問い合わせの大半が、実はメールマガジン経由だった」ということが判明しました。力を入れるべき場所が、想像とまったく違っていたわけです。
これは大がかりな改修ではありません。数時間の作業で、判断材料の精度が一段上がります。
Analyticsでもイベント設定をしておけば、ある程度追うことができます。
「何で知りましたか?」だけでは足りない理由

フォームに「当社を何でお知りになりましたか?」という設問を置いている会社は多いと思います。これは有効ですが、これだけに頼るのは危険です。
理由は3つあります。
- お客様自身が、経路を正確に覚えていない(検索したのか、広告を踏んだのか区別がつかない)
- 選択肢の言葉と、お客様の認識がずれている
- 記入を面倒がって、適当に選ばれる
自己申告は、健康診断の問診票のようなものです。患者さんの申告は大事ですが、それだけで診断はしません。血液検査の数値と突き合わせて、はじめて実態が見えてきます。設問(自己申告)とアクセス解析(実測データ)は、両方あって意味を持ちます。
経路が見えると、広告費の「削り先」が決まる
問い合わせの入口が分かると、経営判断が変わります。
たとえばアクセス解析を見ていくと、流入経路はおおむね次のように分かれます。
- 検索エンジンからの自然流入
- 広告からの流入
- メールマガジンやブックマークなどの直接流入
- 他サイトからの紹介
- SNS経由
- 生成AI(ChatGPTなど)経由
このうち、どの経路が問い合わせに結びついているか。ここが見えると、「アクセスは多いが1件も問い合わせが出ていない経路」が浮かび上がってきます。そこが削り先です。
逆に、アクセス数は少ないのに問い合わせ率が高い経路も見つかります。そこが伸ばし先です。
広告費を減らしたい、という相談をよくいただきますが、闇雲に減らせば売上も落ちます。減らすべきは総額ではなく、成果の出ていない経路への配分です。それを判断するための材料が、経路の見える化なのです。
今日からできる3つの点検

最後に、すぐに確認できることを3つ挙げます。
1. 問い合わせフォームのイベント設定をしているか Analytics・タグマネで設定ができます。
2. 問い合わせがあったときに追えるようになっているか これもAnalyticsで追えるようになります。
3. 過去3か月の問い合わせを、経路別に数えられるか 数えられないなら、それは計測できていないということです。
この3つがすべて「はい」なら、御社の広告投資は、少なくとも判断可能な状態にあります。
問い合わせの経路が見えていない状態は、霧の中で舵を切っているようなものです。進んではいる。けれど、どこへ向かっているかは分からない。
そういう場合は、一度ワードメーカー株式会社までご相談ください。


